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コタ・トゥアの博物館特集 その2

こんにちは、ジャカルタで暮らす会社員のサントソです!
前回、ジャカルタ歴史博物館を紹介しましたが、今回は「マンディリ銀行博物館(Museum Mandiri)」を紹介したいと思います。恐らく、皆さんの中でもマンディリ銀行に預金口座を持っている方もいると思いますが、そのマンディリ銀行が持っている博物館です。マンディリ銀行は1997年に起こったアジア金融危機の影響を受け、インドネシアの金融再編プログラムの一環として1998年に以下の国営銀行4行が合わさって設立された銀行です。

ブミ・ダヤ銀行 (Bank Bumi Daya / 略称:BBD)
ダガン・ヌガラ銀行 (Bank Dagang Negara / 略称:BDN)
インドネシア輸出入銀行 (Bank Ekspor Impor Indonesia / 略称:Bank Exim)
インドネシア開発銀行 (Bank Pembangunan Indonesia / 略称:Bapindo)

このマンディリ銀行、マンディリ(自立)という名前を付けたのは当時の大統領ハビビ氏だったのです。過去、有力な銀行のほとんどは外資系銀行だったことから、マンディリ銀行が独立した金融機関となり、自立できることを望んでつけた名前になります。

マンディリ銀行の概要はここまでにしておいて、博物館の話に戻りたいと思います。場所はこちら。

マンディリ銀行博物館の外観マンディリ銀行博物館の外観

入り口に入ってすぐに階段が有るのですが、階段を上る途中で左側に個室が有り、そこがチケット売り場になります。大人は一人Rp15,000でした。

博物館のチケット売り場博物館のチケット売り場

そして中に入ればこんな感じ!広いホールに圧倒されます。目の前には当時使われていた銀行のカウンター。。。入っていきなりテンションが上がります。順路は入って右側に進むことになっているので右端まで向かいますが、その途中で「KASSIER CHINA」と書かれたカウンターが見えます。なぜ中国?と思いますが、当時から中国人はよく働き、ビジネスを展開していたことから特別に中国人向けのカウンターを設けていたようです。

博物館に入ってすぐのホール博物館に入ってすぐのホール

 

「KASSIER CHINA」のカウンターも有りました「KASSIER CHINA」のカウンターも有りました

順路に沿って歩いていくと当時の様子を表したジオラマや歴史の書かれたパネルが展示されているコーナーに入ります。

いろいろと展示物が並んでいます。いろいろと展示物が並んでいます。
ここで紹介されている4つの銀行とは?ここで紹介されている4つの銀行とは?

ここに展示されている銀行は何?NHM?NIHB?と思いますが、実はこちら、先程挙げた銀行の前身となった銀行なのです。それぞれの前身となった銀行はこんな感じです。

BANK NHM?BANK NHM?
BANK NIHB?BANK NIHB?

①ブミ・ダヤ銀行⇒Nederlandsch-Indische Handelsbank (NIHB)
②ダガン・ヌガラ銀行⇒Nederlandsch Indische Escompto Maatschappij (NIEM)
③インドネシア輸出入銀行⇒Nederlandsche Handel-Maatschappij (NHM)
④インドネシア開発銀行⇒こちらは変わらず。

インドネシア開発銀行の設立は1960年ですが、NIHBの設立は1863年、NIEMの設立は1857年、NHMに関しては設立が1824年なのです。かなり古くから有る銀行なのですね!因みに日本で最古の銀行は1873年に渋沢栄一氏により創設された第一国立銀行(現在のみずほ銀行)になるため、それ以前から存在していた銀行になります!

ある部屋にはそれぞれの銀行の歴史と発行していたキャッシュカードや預金通帳が展示されていて興味深いです。

当時使われていたキャッシュカードや預金通帳当時使われていたキャッシュカードや預金通帳

これでマンディリ銀行の前身となった銀行のコーナーは終了で、次の部屋ではハビビ元大統領とマンディリ銀行の関係が書かれたパネルを見ることができます。

ハビビ元大統領との関係が書かれたパネルハビビ元大統領との関係が書かれたパネル

そしてその部屋を抜けると中庭に出ます。昔はこの銀行で働いていた人が休み時間とかにここでくつろいでいたのでしょうか。とてものどかな空間です。

博物館の中庭博物館の中庭

そして再度建物に入ると「KASSIER CHINA」ができた当時の展示を見ることができます。そのそばには当時使用されていたタイプライターが…かなり年季が入っています。

KASSIER CHINAができた経緯が書かれたパネルKASSIER CHINAができた経緯が書かれたパネル
カウンター近くに置かれたタイプライターカウンター近くに置かれたタイプライター

こちらの棚みたいなものはKeranda Uangと言って、テラーが席を外すときに現金や重要な書類を保管しておくときに使用されていたようです。

過去に使われていたKeranda Uang過去に使われていたKeranda Uang

お次はこちら。銀行のカウンターを内側から見た景色になります。当時の銀行員が見ていた景色…面白いです。

カウンターを内側から見た景色カウンターを内側から見た景色

そして最初に入ってきたホールに出てきます。そこにはタイプライターだけでなく、当時の紙幣や硬貨を数える機械や電話、テレビ、ラジオ、扇風機が展示されています。

ホールにあるカウンターの内側ホールにあるカウンターの内側

こちらはインドネシアで生産されるコモディティの数々。シナモンやサトウキビ、コーヒー、ココナッツ、石炭、錫…こうして見てみるとインドネシアで採れるものって沢山あるんですね。

左から砂糖、珈琲、胡椒、藍から取れる染料左から砂糖、珈琲、胡椒、藍から取れる染料

こちらは現在マンディリ銀行博物館として使われている建物が建設されているとき(1929年)の写真です。向かい側にあるコタ駅の周辺って何もなかったんだなぁ…

1929年、建設時の写真1929年、建設時の写真

博物館はこれだけで終わらず、現在のマンディリ銀行のサービスとその歴史に関しても展示されています。見ていると、ここ最近でITの発達とともに銀行のサービスも短い期間で大きく変わったんだなと感じます。

デジタルバンキングの歴史デジタルバンキングの歴史

こちらは昔使用されていたATM。

昔使用されていたATM昔使用されていたATM

さて、一通り見終わりました。少し休みたいなと言う方、朗報です。出口付近にカフェが設けられています。

博物館内に有るカフェ博物館内に有るカフェ

その付近にはお土産物屋が有ります。そこでマンディリ銀行の電子決済カードe-moneyが売っています。それもマンディリ銀行博物館バージョンが3種類!さすが!お値段はRp35,000です。是非、お土産に買ってみてはいかがでしょうか。

館内のお土産物ブース館内のお土産物ブース
現地で売っているe-money現地で売っているe-money

実は私、このマンディリ銀行博物館に行くのは今回が2回目なんです。前回行ったときはモノが並べられているだけの空間だったのですが、今回行って博物館として見応えがあったのでびっくりしました。今回は少し時間が押していてゆっくりできなかったので、近いうちにまた行ってみたいです。因みに開館時間はジャカルタ歴史博物館と同じで午前9:00から午後3:00までなので、訪問の際は時間に注意してください。次回もお楽しみに!Sampai Jumpa(サンパイ ジュンパ=またね)!