書籍紹介

書籍紹介:「俺たちの箱根駅伝」(文藝春秋)

こんにちは、ジャカルタで暮らす会社員のサントソです。
以前、青森県の「割烹旅館さつき」の記事にて、その旅館が池井戸潤さんの作品に少し出ていると紹介しました。その作品のタイトルは「俺たちの箱根駅伝」で、その旅館で宿泊してから読み始め、先日読み終えました。結果、旅館の名前は書かれていなかったものの、ちゃんと書かれていました。しかし、それ以上にとても面白かったので紹介したいと思います!
「俺たちの箱根駅伝」(文藝春秋)、右が上巻、左が下巻
今回紹介する作品はタイトルの通り箱根駅伝を舞台に書かれています。主人公は明誠学院大学陸上競技部四年の青葉隼斗。自身の所属するチームが惜しくも予選会で敗退するところから物語が始まります。自身が在学中に一度も箱根駅伝に出ることができないと思ったところ、関東学生連合チームとして出場できることになります。関東学生連合チームは「予選会で落選したチームに所属する選手のうち個人成績で上位に位置する選手から、各校最大2名までの枠内で選抜されるチーム」です。しかし、予選会で落選したショックからわずか2か月後の本番に選抜チームとして招集されたとしてもモチベーションが上げにくい選手が多く、本選では下位に低迷することの多いチームなのです。

そして関東学生連合チームの監督は「関東学生連合チームに選出された選手の所属大学の中から、総合成績が一番良かった大学の監督に打診を行う」とされており、この物語では隼斗の大学の監督に声がかかります。しかし、予選会までチームを率いてきた監督の諸矢久繁は突然辞任し、自身の選んだ甲斐真人という人物が監督に抜擢されます。甲斐は隼斗と同じ明誠学院大学陸上競技部出身で、一年生からレギュラーとして箱根を四度走った経験がある優秀なランナーでしたが、卒業後は陸上競技から一切足を洗い、一流の総合商社、丸菱商事の課長にまでなった人物です。いくら箱根駅伝に四回出場した経験があるといっても長年のブランクを挟んでいきなり監督になるため、かなりの物議を醸します。明誠学院大学陸上競技部の現役生やOB、関東学生連合チームやスポーツ関連のメディアから非難が殺到!そんな中、甲斐監督が掲げる関東学生連合チームの目標は「本選三位以上」!それを聞いたみんなが首を傾げたり、真に受けなかったりする中で練習がスタートします。

さて、甲斐真人は何故、いきなり母校の陸上競技部の監督になったのか?何故、諸矢元監督は甲斐真人を後任に選んだのか?そして関東学生連合チームの本選での結果はいかに?最後まで読むとスッキリします。

この物語の面白いところをもう一つ挙げさせてください。箱根駅伝の主役は勿論、参加する選手ですが、それをテレビ番組でお茶の間に伝える放送局からの視点も書かれています。毎年慣れた感じで放送しているように見えますが、その裏では相当の葛藤と努力があることを知りました。私自身、箱根駅伝に特別興味があるわけではなく、正月にテレビで流れていれば見る程度の番組でした。また関東学生連合チームも特に注意をして見ることがありませんでした。しかし、この本を読んで今後箱根駅伝の見方が変わったなと思います。早く来年の箱根駅伝が見たいと思える作品でした。

【PR】上巻、下巻があります。興味を持たれた方がいましたら、是非読んでみてください!

次回もお楽しみに!Sampai jumpa!