インドネシア語

もうすぐラマダン、断食月

こんにちは、ジャカルタで暮らす会社員のサントソです!
2024年も早いもので、もう3月です。3月にはイスラム教の大きなイベント、プアサ(断食)が有ります。今年は3月12日頃にプアサが始まるとされています。プアサに関しては以前少し触れたことが有るので、こちらを見てください。

今回はプアサ期間中に行うことや、注意すべきこと、話される言葉について書きたいと思います。ラマダン(Ramadhan)の時期が近付くと、町中にポスターや横断幕が設置され、ラマダンに関連した言葉が書かれます。例えば
「ラマダン、ようこそ」(マルハバン・ヤ・ラマダン/Marhaban ya Ramadhan)や
「安寧な断食実行を。」(スラマット・ムヌナイカン・イバダ・プアサ/Selamat menunaikan Ibadah Puasa)
「幸せなラマダンを。」(ラマダン・ムバラク/Ramadhan Mubarak)
です。因みに、ラマダンに関連する言葉はアラビア文字から来ていることが多いので、インドネシア語で書くと人により若干異なります。例えば、「ramadhan」と書く人もいれば「ramadan」と書く人もいます。

ラマダンの飾りつけをする女性ラマダンの飾りつけをする女性

断食期間中は日の出から日没まで一切の飲食を絶ちます。唾も飲んではいけないと言われています。厳しいですね。

その為、イスラム教徒は日の出前に起き、食事をします。それをサフール(sahur)といいます。サフールの時間(だいたい午前3~4時)になると、ボランティア数人が「サフール!、サフール!」と言って太鼓、ブドゥッグ(bedug)を叩きながら町を歩き、サフールの時間を知らせます。最初は騒がしいなと思っていましたが、今は「ラマダンの季節がやってきたな」と感慨深くなります。サフールにはデーツやヨーグルト、おかゆなどの消化がいいものを食べることが慣習となっています。サフールを取った後、もう一度眠りにつく人もいれば、礼拝をおこなった後仕事に出る方もいます。その為、断食期間中はイスラム教徒の従業員に配慮して就業時間を早くしたり、昼休みを短くしたりすることで帰宅時間を早めている会社が多いです。昼休みに食事をとれないことから昼寝をし、パワーを温存して過ごす方もいます。

そして日没まで飲食を我慢することになります。この時期、仕事のパフォーマンスが落ちる人もいるため、仕事の配分には注意が必要です。

日没近くになると、断食明けの食べ物、タクジル(takjil)の販売が始まります。豆腐やアイス、揚げバナナなどの揚げ物類、フルーツをココナッツミルクで煮込んだ甘いスープ等が通りに並び、それを買い求める人でにぎやかになります。断食明けの食事をイフタル(iftar)とも言います。断食明けにはまず胃腸を落ち着かせる食事をとってから、いろいろな食事を食べます。ラマダンの時期になると、ナツメヤシの実の絵や写真をよく見るようになります。インドネシアではクルマ(kurma)と言われ、栄養価が高いのでよく断食明けに食べられます。

Takjilを売る店が道に並ぶTakjilを売る店が道に並ぶ
Takjilを売る商人Takjilを売る商人
Takjilを買ってみた。これでRp20,000(約190円)Takjilを買ってみた。これでRp20,000(約190円)

日没後、一日の断食が終わった最初の食事をブカ・プアサ・ブルサマ(buka puasa bersama)と言います。直訳すると「開ける、プアサ、一緒に」、即ち「一緒に断食が明ける」ことになります。略して「ブカ・プアサ」とも言います。この時期は家族や友人たちと一緒にプカ・プアサする光景が見られ、イベントのようになっています。その為、断食明けの午後6時台はどこのレストランもいっぱいです。会食の予定がある人は予め予約をしておく等の注意が必要です。また、フードのデリバリーもドライバーさんがブカ・プアサをしてたりでなかなか捕まらなかったりしますので、こちらも注意が必要です。因みにブカ・プアサというのは必ずしもイスラム教じゃないと参加できないようなものではなく、イスラム教でなかったとしてもブカ・プアサに参加しないかと誘われることもあります。断食は自分たちの義務だが、楽しむのはみんなでという寛容な雰囲気はとてもいいなと思います。

小皿の真ん中に置かれるKurma小皿の真ん中に置かれるKurma

インドネシアにおけるプアサはこのような感じです。約1か月も断食するのは本当にきついと思います。もし近くにイスラム教の方がいたら、Selamat menunaikan Ibadah Puasa.(スラマット・ムヌナイカン・イバダ・プアサ)「安寧な断食実行を。」と声をかけてあげましょう。文が長くて難しいようでしたらSelamat berpuasa.(スラマット・ブルプアサ)でも結構です。意味としては同じです。

それでは、次回もお楽しみに!Sampai Jumpa(サンパイ ジュンパ=またね)!