こんにちは、ジャカルタで暮らす会社員のサントソです!
前回からインドネシアの紙幣に描かれている英雄を紹介していますが、今回は2回目です。既にRp100,000、Rp50,000、Rp20,000を紹介している為、残すはRp10,000、Rp5,000、Rp2,000、Rp1,000札になります。
Rp10,000札
まずは紫色をしたRp10,000札。表に描かれている人物はフランス・カイシエポ(Frans Kaisiepo)氏です。彼はパプアの政治家で西イリアンとインドネシアを統一するために生涯をかけた人物です。今でこそニューギニア島の西半分は「イリアン・ジャヤ」と呼ばれていますが、元々は彼が「イリアン」と呼ぼうと提案をしたのです。「イリアン(Irian)」とは彼の母国語、ビアク(Biak)語で「暑い場所」を意味しています。彼の功績を称えて、ビアク島にある空港に彼の名前が付けられています。前回紹介した人物もそうでしたが、英雄になったら必ずと言っていいほど空港の名前になったりするんですね。
裏に描かれている踊りは南スラウェシ、マカッサルのパカレナ・ダンス(Tari Pakarena)です。その左には南東スラウェシ州のワカトビ国立公園が描かれています。海がとてもきれいなんですよね!「ワカトビ」ってワンギ=ワンギ島(Wangi-wangi)、カレドゥパ島(Kaledupa)、トミア島(Tomia)、ビノンコ島(Binongko)の4つの大きな島の名前の最初の音節を取ってつけられた名前のようです。上にはスマトラ、アチェを象徴する花、Magnolia vrieseanaというモクレン科の花が描かれています。インドネシアの人々にとって神聖な花で、神に供え物として捧げられる特別な花とされています。
Rp5,000札
次は茶色をしたRp5,000札。表に描かれている人物はイダム・チャリド(Dr. K.H. Idham Chalid)氏です。彼は前回紹介しましたRp50,000に描かれていたジュアンダ氏の内閣で副首相を務めた人物です。1956年から1984年の28年間、インドネシア最大のイスラム団体「ナフダトゥール・ウラマ(Nahdlatul Ulama:略称NU)」の総裁を務めていました。歴代のNU総裁の中で最も長く総裁を務めた人になります。多くの歴代総裁の任期が10年に満たず、次に長く総裁を務めた人が第4代大統領のアブドゥルラフマン・ワヒド(Abdurrahman Wahid)氏で1984年から1999年の15年間であることから、かなり皆から信頼されていた人物であったのでしょう。頭脳明晰でもあったようでドイツ語、フランス語等語学に長けており、日本語も流暢に話せ、現地の日本人を驚かせたようです。
裏に描かれている踊りはスラカルタ地方発祥の古典的なジャワ舞踊の一種、ガンビョン・ダンス(Tari Gambyong)です。左側にはスラバヤにそびえる火山、ブロモ山(Gunung Bromo)が描かれています。そして上にはチューベローズ(Bunga Sedap Malam)という東ジャワ州パスルアン県を象徴する花が描かれています。甘く、独特な香りがするようです。
今回はRp10,000札に描かれているフランス・カイシエポ氏とRp5,000札描かれているイダム・チャリド氏の2名を紹介いたしました。残すはRp2,000札とRp1,000札です。次回もお楽しみに!Sampai Jumpa(サンパイ ジュンパ=またね)!