こんにちは、ジャカルタで暮らす会社員のサントソです。
今週末はインドネシアの独立記念日ですね!この時期になると町中がインドネシア国旗のモチーフとなっているメラ・プティ(赤白)で飾られ、お祝いムードになります。私も何かムルデカ(独立)に関係あることをしたいと思い、先週の土曜日にTaman Proklamator(タマン・プロクラマトル=独立宣言者公園)という所に行ってきました。場所はこちら。
タマン・プロクラマトルはかつてインドネシアの初代大統領であるスカルノの邸宅があった場所で、インドネシア独立時に独立宣言(Proklamasi/プロクラマシ)が読まれた場所なのです!日本人の間ではあまり話題になりませんが、めちゃめちゃ重要な場所ですよね!スカルノ元大統領が自分の邸宅で独立宣言を読むモノクロのシーンは何回か目にしたことがありますが、その場所がメンテンにあるタマン・プロクラマトルなのです!

公園に着くと、正門は閉じられた状態ですが、正門に向かって右側にある裏口が開いているので、底から中に入ります。警備員の方がいるのですが、とても親切でした。そして中の様子はこんな感じです。

中央の開けた場所では翌週の独立記念日に向けて国旗掲揚の練習が行われていました。のどかな雰囲気の中、皆さん一糸乱れぬ動きで、そこだけ緊張感が漂っています。そういえば、独立記念日に大統領宮殿で国旗掲揚をする人が毎年選ばれますが、とても名誉なことですよね。狭き門をくぐった選ばれし方たちは一体どんな人生を歩んでいるのでしょうか?政府高官とかになっているのでしょうか?気になりますね。
広場で一番目を引くのは正面に建てられたスカルノ初代大統領とハッタ初代副大統領の像。そしてその間にあるのが独立宣言が書かれた原稿を象った像です。その上にスカルノの読み上げた文が書かれています。二人の石像の後ろに立っている柱と柱の間は溝になっていて水が流れる滝のようになっています。この柱、全部で17本あり、一番高い真ん中の柱は8m、溝には突起が有るのですが、突起の数は45個。これでインドネシアが独立した1945年8月17日の意味を持たせているのです。インドネシアの人ってこういうのが好きですよね。私もですが。

そして二人の像に向かって右側に有る一番上に雷が象られた塔、Tugu Petir(トゥグ・プティル=雷の塔)をご存じですか?実は、その塔がある場所で独立が宣言されたのです!個人的には二人の像よりも、この雷を象った塔の方が重要だと思います。

そしてスカルノが独立宣言を読み上げた家は有るのかというと、残念ながら1960年8月15日にスカルノの命により取り壊されてしまったのです。勿体ない!調べてみるとスカルノ自身はその家が国の記念物とするに値しないと考えていたようです。なんか…凄いですね。たまに家にトロフィーや賞状を飾っている人を見ますが、スカルノはそんなタイプじゃなさそうですね。あくまで個人的な感想ですが…ところで、何故この塔の一番上に雷のマークがあるかご存じですか?インドネシアの国営電力(PLN)がスポンサーだからと思った方、残念ながら不正解です。正解は「インドネシアの独立が宣言されたときの雷鳴を象徴しているから」です!その割には雷のマークが小さくて控えめですね。とはいえ、重要なのはその場所で独立が宣言され、今のインドネシアがあるということです!
今年の独立記念日は例年と少し雰囲気が違います。現政権への批判を表すためにインドネシア国旗の代わりにアニメ「ワンピース」に出てくる麦わらの一味の旗を掲げる動きが有り、議論となっています。私はよく車でラジオを流しているのですが、最近は「ウィーアー!」がよく流れているような気がします。個人的な思いですが、現政権への批判はインドネシアが独立した事実と切り離して、独立記念日を祝えばいい!と思います。
次回もお楽しみに!Sampai jumpa!