生活

Cap Kaki Tiga:彼らの戦いの行方は?

こんにちは、ジャカルタで暮らす会社員のサントソです!
この前、妻が「口内炎(sariawan/サリアワン)ができた。Cap Kaki Tigaを買ってきて。」と言われたので、近くのコンビニに探しに行きました。「Cap Kaki Tiga(チャップ・カキ・ティガ)」とは飲み物の名前で、口内炎や体内の熱を和らげるためによくインドネシア人の間で飲まれるようです。「Cap」とは「印」、「Kaki Tiga」とは「三つ足、三脚」です。なので「三つ足印」とでも言いましょうか。私も何回か飲んだことが有りますが、味は普通の水と同じで無味無臭でした。

さて、コンビニの飲み物コーナーに到着し、お目当てのものに手を伸ばそうとした瞬間、時が止まりました。

同じような飲み物が並んでいます。同じような飲み物が並んでいます。

「三つ足」が描かれたものもあれば、「サイ」が描かれたものも有ります。ボトルの形は同じ。。。はて、どっちを買うべきか?「Cap Kaki Tiga」と言われているので、勿論「三つ足」の方が確実ですが、私の中で「サイ」が描かれた方も同じ飲み物であったという記憶が有ります。これは調べるしかない!と思い、結局その日は2つとも買って帰りました。

さあ、2つの飲み物を比べてみましょう。
まず、「三つ足」の方。どこが作っているかと言うと、PT. Kino Indonesia Tbk (キノ・インドネシア)。ボトルに描かれている名前は「Cap Kaki Tiga」です。成分はどうでしょう。

こっちはCap Kaki TigaこっちはCap Kaki Tiga

Gypsum Fibrosum(石膏) 450mg
Calcitum (????) 225mg
Air (その他は水)

この「????」と書かれたところですが、「Calcitum」というワードが日本語でヒットしませんでした。同じくこの飲み物について書いているブログとかを見ると「Calcium(カルシウム)の間違いだ。」という説もあれば「Calcite(=Calcareous Spar/炭酸カルシウム) だ。」という説も有ります。つまりはタイポ、打ち間違いという説が濃厚です。こんなに大々的に売られているのにタイポが有るなんて。。。!普通は信じられませんが、「そうかもしれない。」と思えてしまうのがここ、インドネシアです。

次に「サイ」の方。製造元はPT. Sinde Budi Sentosa (シンデ・ブディ・セントサ)!「三つ足」と製造元が違います。ラベルには「Cap Badak(チャップ・バダック)」と書かれています。「Badak」とはサイのことなので「三つ足印」ならぬ「サイ印」ということですね。実は飲み物の名前そのものが違ったということです。成分はどうでしょう。

こっちはCap BadakこっちはCap Badak

Gypsum Fibrosum (石膏) 17.50g
Calcareous Spar (炭酸カルシウム) 0.75g
Ophiopogon japonicus Tuber (ジャノヒゲの塊茎) 0.08g
Imperata cylindrica Rhizoma (チガヤの根茎) 0.06g
Chrysanthemum morifolium Flos (菊花) 0.06g
Lain Lain (その他)

もう、ほぼほぼ石膏ですね。調べてみたところ石膏は「体、特に肺の熱や炎症をしずめる働きと利尿作用があり、咽喉炎、口内炎、肌のほてりなどの熱や炎症をしずめるのに有効」とされているようです。次に多い成分が炭酸カルシウム。それを考えると「Cap Kaki Tiga」のもう一つの成分も炭酸カルシウム(Calcite)である可能性が高いですね。炭酸カルシウムは「腸管内において無機リン酸イオンと不溶性の塩を作り、腸管からのリンの吸収を抑制することで、血中リン濃度を低下させる」ようです。文系の自分にとっては難しい限りですが、なんか体によさそうです。それぞれのラベルをよくよく見てみると、どちらも絵の左上にインドネシアの自然薬である「JAMU」と書かれています。これらの飲料水のカテゴリは「JAMU」だったんですね!

では、これらの飲料水を作っている2つの会社との間に関係は有るのか?も調べてみました。結果、大有りでした。しかも、よろしくない形で。。。実はこの飲料水、元々は1937年に設立されたマレーシアの会社「Wen Ken Group(ウェン・ケン・グループ)」というところが作っており、インドネシアでは、まずシンデ・ブディがライセンス契約を結び、この飲料水を作っていました。当時のボトルにはサイの絵と三つ足印が描かれていました。キノはというと当時シンデ・ブディの製造した飲料水を卸していた商社だったんです。しかし、1996年にキノが別の飲料水も売りたいと主張する一方、シンデ・ブディは自分たちの作った飲み物のみ売りなさいと主張。両者の間で折り合いがつかなかったことから、両者の関係は途切れます。2000年頃にシンデ・ブディからウェン・ケンへのライセンス料支払いが滞ったことからウェン・ケンがシンデ・ブディとの契約を一方的に解消。その後、シンデ・ブディ対ウェン・ケン&キノの図が出来上がります。2011年にウェン・ケンはキノとライセンス契約を結びキノが「三つ足印」の方を製造することになります。その間、ライセンス契約の争いが有ったり、ブランドに関する争いが有ったり、結構大変なことが起こっているようです。

この2社にそんな裏話が有ったとは…この2社にそんな裏話が有ったとは…

まさか、ヘルシーな飲料水を売っている裏側でこんなドロドロした物語が繰り広げられているとは思いませんでした。何はともあれ、両者の関係が修復することを祈ります。。。

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次回もお楽しみに!Sampai Jumpa(サンパイ ジュンパ=またね)!