生活

Hokbenは何者?

こんにちは、ジャカルタで暮らす会社員のサントソです!
今でこそジャカルタに日本食レストランはたくさんありますが、昔はかなり限られていたようで、なんちゃって日本食でも有難いとされていたようです。その中でも有名なのは「Hokben」。昔の店名「Hoka Hoka Bento」が略されて「Hokben」になりました。「ほかほか」という日本語ってあまりインドネシア人の方から聞いたことないですよね?大体聞くワードって「ありがとう」だとか「こんにちは」とか挨拶を中心にしたワードです。これって日本となにか繋がりがないのか?と思い調べてみました。

Hokbenに関してご存じない方のために簡単に紹介しておきます。Hokbenは日本風のファーストフードを提供するレストランです。元々の名前が「Hoka Hoka Bento」ですが、単にお弁当を売って終わりというだけでなく店内でも飲食できるスペースも設けられています。ビーフやチキンの照り焼き、焼き肉などインドネシア人になじみやすい料理を提供しています。日本食を食べたことがない!という人にとってはとっかかりやすいかもしれません。ロゴで使用されている2人のマスコットの名前はタローとハナコで、それぞれ帽子にイニシャルが書かれています。今は2人の顔しか載っていませんが、Hoka Hoka Bento時代は2人の全身が載っており、タローは青色、ハナコは赤色の全身タイツを穿いたようなビジュアルでした。

Hokbenの看板。左がタローで右がハナコ。Hokbenの看板。 左がタローで右がハナコ。
店内はこんな感じで清潔感があります。店内はこんな感じで清潔感があります。

設立は1985年4月18日、PT. Eka Bogaintiによってジャカルタのクボン・カチャン(Kebon Kacang)に1号店ができました。このPT. Eka Bogaintiという会社ですが、ヘンドラ(Hendra Arifin)と言う方の会社のようで日本の資本は絡んでいないようです。彼が日本式ファーストフードレストランに興味を持ったことから会社設立に至ったようで、マネジメントに関してもすべてインドネシア人が行っているとのこと。

注文したPaket A。シンプルで結構好き。注文したPaket A。シンプルで結構好き。

それでは、この「ほかほか弁当」のネーミングはどこから発想を得たのか?「ほっともっと(旧ほっかほっか亭)」からか?と思ったのですが、そうではないようです。なかなか情報がなかったのですが、1993年2月1日の日本食糧新聞の記事を見つけました。そこからの情報によると(株)全栄という会社が日本でチェーン展開している(た?) 「ほかほか弁当 ホットフーズ」というブランドからだそうです。当時はほっかほっか亭に続く業界第2位の規模だったようですが、当時からも日本でのフランチャイズ展開がストップしていたこともあり現在も事業を続けているかはわかりませんでした。ただ、今でもそのブランドで商売をしているお弁当屋がいくつか有るようで、例えば「ホットフーズ阪急曽根駅前店」が挙げられます。なぜインドネシアのHokbenと関係が有るかと言えるのかはこちらの画像を見てください。

ホットフーズ阪急曽根駅前店(Google Mapより)ホットフーズ阪急曽根駅前店(Google Mapより)

こちら、Google Mapに載っている画像なのですが、見えますでしょうか?お店の看板にタローとハナコが!少なくとも1993年まで全国第2位の規模で展開しているホットフーズに当時のヘンドラ氏が興味を持ち、マスコットであるタローとハナコをインドネシアに持ってきてレストランを展開たことは想像できると思います。

看板に描かれたタローとハナコ(Google Mapより)看板に描かれたタローとハナコ(Google Mapより)

しかし、日本では競争が激しく衰退してしまった「ほかほか弁当」がある一方、インドネシアで着々と勢力を拡大している「ほかほか弁当」があるのは驚きですね。特にインドネシアはアウェイですからね。すごいです。インドネシアの人がお話ししながら食事できるよう飲食スペースを大きく設けたことも大きいかもしれません。やはり現地の消費者の好みに合わせるって大事ですね。

1985年の創業と誇らしげに書かれています。1985年の創業と誇らしげに書かれています。

以上になります。結論、「Hokben」は日本の資本が入っていないものの日本の店からインスパイアされたファーストフード店でした。いつもHokbeを見るたびにモヤモヤしていたのですが、これでスッキリしました。次回もお楽しみに!Sampai Jumpa(サンパイ ジュンパ=またね)!