インドネシア入門

イスラム教の人と一緒に過ごすってどんな感じ? その2

こんにちは、ジャカルタで暮らす会社員のサントソです!
前回、イスラム教の特徴に関して説明する途中で終わってしまいました。一般的なことの説明に時間を割いてしまいましたが、今回は自分の経験、考えもシェアできればと思います

ここから続きです。

⑤巡礼(haji/ハジ)
健康で実践可能な財力のあるすべてのイスラム教徒が少なくとも人生のうちに1回はメッカまで聖地巡礼を行うべきものとされています。ハッジには大体30日間かかるで、働いている人は約1か月間職場を離れることになります。礼拝にも言えますが、基本的に宗教的な行事を禁止することはできない為、礼拝をしたい、巡礼をしたいとの要望が有れば尊重しなければなりません。特に会社に関しては宗教的行事を禁止すると違法行為になってしまうため、注意したいですね。

メッカ巡礼をするイスラム教徒たちメッカ巡礼をするイスラム教徒たち

このように五行という者が有りますが、それ以外に注意すべきものが有ります。「haram/ハラム」と「halal/ハラル」です。イスラム教徒は豚を食べてはいけない、酒を飲んではいけないという話を聞いたことはありませんか?このようにイスラム教で禁じられていることを「haram/ハラム」といいます。豚肉に関しては肉だけでなく、豚由来成分を調理の際に使用することも避けなくてはなりません。酒類はアルコール成分が含まれる調味料もNGです。醤油やみりん、すし酢、味噌にもアルコールが使用されていることがあり、人によって不可の場合もあります。

一方、イスラム教で許されていることは「halal/ハラル」と言われます。インドネシアで植われる食品で「ハラル認証」の取得が義務付けられるものが有りますが、認定を受けるための審査が結構厳しいのです。例えば、豚肉を使っていなかったらハラル認証を受けられるかと言ったら、そうではなくて豚肉を調理した包丁、まな板、フライパン、鍋などの調理器具や豚肉料理に使用した食器を使って料理を提供すると、ハラルとはなりません。豚肉以外の肉であっても、イスラム教で定められた手順で殺処理されていないもの、輸送や陳列する際にハラムのものと混在したものなどは、厳密にはハラルとは認められません。厳しいですね。

左:旧ハラル認証マーク右:現在のハラル認証マーク左:旧ハラル認証マーク
右:現在のハラル認証マーク

このようにつらつらとイスラム教の特徴を書いてきましたが、イスラム教の人と一緒に働くのは気を遣う点が多くて大変そうだな、自分には無理そうだなと思わないでください。私の主観ですが、自分の知り合いで豚肉やエキス、酒が苦手な人がまわりに多くいると思えばいいのです。日本でも「〇〇がアレルギーだ」、「〇〇が苦手だ、エキスも嫌だ」、「私お酒が弱いの」という人がいると思います。知らないうちに気を遣っているんです。礼拝に関しては「あ、お手洗いに行ってくるんだな」、「一服してくるんだな」的な感覚でいます(表現が不適切だったら申し訳ありません。。。)。つまりはイスラム教の人と接することに対して身構えなくても、慣れてきますよということが伝えたいのです。

ただ、最近はイスラム教の人の中でも信仰心の強弱はピンキリだなと感じるようになりました。昼はヒジャブをかぶって仕事していても夜は外してお酒を飲んでいるという話を聞きますし、酒はだめだがビールは飲んでも良いという謎ルールもあるようです。断食期間中に食堂へ行っても普通に食事をしている人もいます。豚肉は提供する側もされる側も知らなければセーフのようです。最近は海外からのメディアの影響からか多様な考え方が出てきているようです。なのでイスラム教徒聞いて身構える必要は無いです。

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さて、今回イスラム教に関して記事にしましたが、興味を持った方、更に知りたい方はこちらも参考にしてみてください。

次回もお楽しみに!Sampai Jumpa(サンパイ ジュンパ=またね)!